橋本病と不妊治療

橋本病は甲状腺の病気です。

最初にこの病気を論文で発表した日本人の名前から、この名前がつきました。

 

甲状腺は新陳代謝を活発にするホルモン(甲状腺ホルモン)をつくる臓器です。首の前の部分、喉の辺りにあり、気道を抱き込むようにくっついています。

甲状腺ホルモンは、成長や発育、日常生活に欠かせないホルモンです。

橋本病になり、甲状腺に慢性的な炎症があっても、甲状腺ホルモンの合成には異常がない場合があります。

また、炎症があるために甲状腺ホルモンが十分に分泌されなくなる方もいます。この状態になって、新陳代謝がおとろえると、新進の活力が低下し、甲状腺機能低下症特有の症状が現れます。

西洋薬のレボチロキシンナトリウム(商品名 チラージンS など)の甲状腺ホルモンを服用し、甲状腺ホルモンを補うことで、根本的な治療ではありませんが、諸症状が緩和されていきます。

 

しかし、橋本病がなかなか改善しない場合、不妊や流産に及ぶ場合も少なくありません。

 

橋本病によく使われる生薬として、

芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)、川芎(せんきゅう)、大棗(たいそう)、陳皮(ちんぴ)、当帰(とうき)、桃仁(とうにん)、白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、牡丹皮(ぼたんぴ)、木香(もっこう)、益母草(やくもそう)

などがあります。

これらの生薬は、気の滞りを改善して、血(けつ)のめぐりを改善する作用があります。

この漢方薬を6ヶ月ほど服用された方が、仕事の都合で積極的に妊活を中止することになり服用を中止して2ヶ月後、思いがけなく妊娠されました。

もともと橋本病の診断で、チラージンSは長年飲んでいました。

漢方薬服用する前は、2年ほど赤ちゃんができずに悩んでいたとのことですが、積極的な妊活を一時中止して気楽になったこと、気と血のめぐりが改善されて妊娠しやすいカラダづくりの基礎ができたことが幸いしていたのだと思います。

 

橋本病による症状がでている方には、この他にもその症状にあった漢方薬をお勧めしています。

自分の体に耳をすませて、どんな時にどんなことが不調なのかをチェックしていてくださいね。

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