生理不順な人の妊活養生

生理周期が長い、逆に生理周期が短い、不正出血が続く人が不妊に悩んでいる場合、その体質を改善することで一気に妊娠しやすいカラダづくりができます。

☑カラダの潤いが少ない。
☑皮膚がカサカサしている。
☑筋肉がやせ細っている。
☑爪が割れやすい。
☑尿量や便通の量が少ない。

こういった特徴のある方は、漢方医学では血虚(けっきょ)といいます。
本来の妊娠しやすい、赤ちゃんがはぐくまれるカラダの土台作りとして体質を改善していくことはとても大切です。

中医学の考える「血(けつ)」と、現代医学の「血液」は、決して同じではありません。

血虚という言葉の意味するところは、古代からいろいろと変わってきているようです。

血虚とは、いろいろな病状にかかわってくるのですが、「主に自律神経と内分泌系の失調を指している」という考え方があります。

つまり、女性の不正出血、生理不順、妊娠中や出産、産後にかかわってくる状態であり、また皮膚の老化や萎縮、四肢の運動麻痺や知覚麻痺、栄養障害にも関連した状態なのです。

 

血虚の人の特徴として、

・消化吸収機能は良く、食欲が旺盛

気虚をともなっていない場合は、元気

・食べても太りづらい。

・体内の水分が少ない

 

といったことがあります。

なので、血虚という状態は、貧血とは全く関係がないのです。

 

血虚の治療法

血虚の治療には、補血薬という血を補う薬を使います。

血虚の治療に基本的な生薬

当帰(とうき)
芍薬(しゃくやく)
川芎(せんきゅう)
地黄(じおう)

この4剤がベースとなり、生理不順、生理痛などの

下垂体、卵巣の機能失調や自律神経の異常に広く適応できます。

さらに、女性だけではなく男性の自律神経の乱れも改善することができるのです。

この4剤からなる漢方薬を名を「四物湯(しもつとう)」といって血虚に対する基本の処方で、いろいろな処方に配合して用いられます。

不正出血が強いときは、阿膠(あきょう)、艾葉(がいよう)を加えた漢方薬を服用するとよく効きます。

これは、不育症と診断されて妊娠した人には、流産予防として使います。

この漢方薬を飲む前の妊娠では、

「安定期までは出血するのが普通だと思っていました」

という方が、

「妊娠してから出血しないのが普通なんですね」

という感想がきかれて、逆に私が驚くこともありましたが!

 

不安や抑うつ感からの出血と思われるときには、紫蘇葉(そよう)、香附子(こうぶし)などを加え、イライラしがちな人には、黄連(おうれん)、山梔子(さんしし)を配合した処方がよいでしょう。

生理周期が長い人

もともとの基礎体温が低く、月経周期が長い人には、寒症タイプ。

桂枝(けいし)、炮附子(ほうぶし)、呉茱萸(ごしゅゆ)などの温める薬剤を加えます。

生理周期が短い人

周期が短い人は熱症なので、出血量の多い時には、黄連(おうれん)や黄芩(おうごん)などの清熱剤を加えた処方になります。

 

生理時の出血量が少ない人

生理時の出血が少なく、生理痛がある人や、生理周期が不安定で長引く傾向のある人は、瘀血(おけつ)でもあります。

桃仁(とうにん)、紅花(こうか)などを配合します。

生理痛には、延胡索(えんごさく)が効果ありです。

 

精神的ストレスをともなう時

香附子(こうぶし)、紫蘇葉(そよう)、柴胡(さいこ)などを加えると、「メンタル面がラクになりました」というお客さまの声をいただきます。

なによりも、メンタルを改善して気力を上向きにすることが根本治療になりますね。

治療の注意点

血を補う治療法には、以下のことに注意して飲む必要があります。

①食生活も含めた養生を基本とし、漢方薬だけに頼らないこと。
*養生は、漢方薬を効きやすくするためにベースとなるものです。妊活養生で、妊娠しやすいカラダづくりの基礎をつくることが大切です。

②栄養ドリンクとは違い、即効性があるものではないのです。飲むと決めたら、3~6ヶ月は服用し続けることを理解してください。

③一部の漢方薬は、妊娠中は飲めない生薬が含まれています。また、胃腸の悪い人には、かえって胃にさわる生薬もあります。全身状態をしっかり伝えましょう。

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